東京地方裁判所 昭和40年(手ワ)4992号・昭40年(ワ)5030号 判決
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〔判決理由〕しかしながら、<証拠>によつて認められるところの、訴外中村士郎が亡小西英雄から個々の具体的場合に授権されて右小西英雄の面前以外で署名代理の方法によるその名義の約束手形を振出していたことがあるとの事実は、前掲の各反対証拠によつても動かしえないところであると思われる。そうだとすると、本件手形は、訴外中村士郎が手形作成の代行権限をこえて振出した手形であると認めるほかはない。
そして、同訴外が亡小西英雄の第一秘書であつたことは当事者間に争いがなく、かつ<証拠>によれば、本件手形の書替前の原始手形振出の頃同訴外人が小西議員の第一秘書として原告のもとに挨拶に赴き、その際小西英雄の印鑑証明を原告に交付していることが認められるので、これらの事実からすれば、原告において訴外中村士郎が本件手形振出の代理権を有するものと信じたことに正当な理由があつたとみるのが相当である。それ故、亡小西英雄は結局本件手形の振出責任を免れえないものであるといわなければならない。(畔上英治 伊藤豊治 小林啓二)